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飛越新道経由・北ノ俣避難小屋泊まりで黒部五郎岳ピストン

24日は次女の小学校最後の参観日だったので朝は小学校へ。小学校の階段ってこんなに段差が低かったっけ?

娘の発表は残念ながら廊下の雑音にかき消されてちゃんと聞こえなかった。済まぬ娘よ。

役目を果たしたので父はすぐに出発。12時45分くらいに飛越トンネルに到着。神岡からの林道長すぎ。逆に言うとこんな山奥での生活は大変だろうな。

登山届けを提出して1時1分に出発。

風が涼しくて太陽は雲に隠れて登りには快適な天気。基本的には登りなのだが3回くらいわずかな下りを経て飛越新道分岐に到着。分岐では下りの夫婦が休んでいた。早く行きたいので休憩はなし、と言うか登りは雨具を着た時以外は休まなかった。分岐14時23分。

rimg0129秋の風情

また緩やかな登りを行くと最後にやや急な登りになって寺地山に到着。15時13分。三角点を確認。

残念ながら高度を上げたためか雲の中に入り雨が降ってきた。ここの天気は斜面右(東南)からの風で決まるらしい。二日間ずっと東南からの風と雲で天候が決まっていた。

この辺りで雨具を脱ぎ着することになった。

寺地山を過ぎるとゆっくりとした登りを経て樹林帯を抜けた。程なく木道が見えてきて避難小屋への分岐に行きあたった。右に折れて50mほどで小屋に到着。

15時56分。2時間55分で到着。

合計距離: 7151 m
最高点の標高: 1981 m
最低点の標高: 1397 m
累積標高(上り): 750 m
累積標高(下り): -171 m
平均ペース: 2.52 km/h
総所要時間: 02:55:22
Download file: Move_2016_09_24_13_00_13_トレッキング.gpx

小屋前では一人の男性が泥だらけになっていた靴を磨いていた。今夜お世話になります、と挨拶をして荷物を下ろした。

小屋前にはジャバジャバと沢水が引かれていた。水には困らない。

さて、飛越新道と言えば必ず泥沼登山道のことが話題にあがる。ご多分に漏れず雨翌日であったため、1日目は泥沼に大いにやられることになった。

たいてい道の中心に泥沼ができている。たいてい誰かがハマった跡があるので気がつく。横の藪を通過しようとすることで回避できるが、藪が道に傾斜しているので斜面で何度も滑ることになる。中央突破を図ろうと落ちている枝や根っこを狙うがどれも垂直に足を置かないと横スライドする。最悪なのは丸太を切って年輪が見えるようにした飛び石だ。わざわざ溝をカービングしているのだが(すばらしいチェーンソー業師ですな)、そんなのお構いなしに滑りまくる。丸太トラップと名付けることにした。かなりμが低いので、地面に水平方向のベクトルはもれなくスリップとなる。

さらにソールについた泥はなんということのない石の上や根の上でもスリップを誘発する。

そういう訳で、北ノ俣避難小屋につくまでに2回ほど臀部を接地するはめになった(ただし泥の上には落ちないで済んだ)。

避難小屋で出会ったのは富山から来たTさんという方。これもご縁。夕食はコンビニレトルトビーフシチューにパンをひたして食べるお手軽夕食をシェアした。Tさんが持ってきた日本酒をいただいてちびりちびり。これまた鳥の香草煮のコンビニレトルトを肴に楽しんだ。

寝るまでいろんなお話をさせてもらった。それぞれの子供の話、いかにアウトドアを楽しむことを嫁さんに理解(諦めて?)もらうか。山の話、イタリアビンテージバイクの話、ラジコンの話、山スキーの話。そして釣りの話。たいそう多趣味な方で興味をそそられる話ばかりだった。自分もアクティブな方だが彼の多趣味には負ける。そんなに時間がないっすよー(という一言は時間を上手にやり繰りできませんと無能を認めることになるらしい…)。

8時頃には就寝。夜は時々強く降る雨に目が覚めた。明日は雨なのか? キャプ4ベースに薄手のパンツ。フリース生地のハーフパンツにサーマラップパーカー。シュラフでぬくぬく。

さて、翌25日朝。夜間に少しの降雨があったためか朝露もそれなりに。4時に起床。朝食は買ってきたパンとティーパックのようなもので作ったコーヒー。Tさんも黒部五郎岳が目標。ただし明日も休みらしいのでゆっくり出てくるらしい。お礼を言って先に出発。5時7分。薄暗い中でもガスっているのは明白。今日は消化試合か…

rimg0150

北ノ俣稜線までの道のりは、やはり多数の泥沼トラップだらけ。まず木道の固定がされていない部分があり、脛チョップを1回くらった。沢状になった部分はゴロゴロの石。横はヌメヌメの粘土。上を歩けば滑り、下を歩けばガタガタ。どちらかというと下がいいかな。割と急な登りでそこそこ息があがる。

唯一の救いは雷鳥さん。道半ばで出会った彼(オスだと思う)は、近づくとなぜか登山道を登っていく。少しいくと立ち止まり振り返り私を見る。近づくとまたたたたっと登っていく。そんなことを20分ほど繰り返して先導!?してくれた。滑りそうなおっさんが心配だったのだろうか… 随分と登りの辛さが慰められた。

rimg0160 rimg0165 rimg0174最後はハイマツの中に消えた。

登りの途中で明るくなってきて、対面の山には朝日が差してきた。有峰湖も光ってきた。

rimg0153時折晴れ間が稜線に見える rimg0161少し紅葉 rimg0162 rimg0169高岡方面が明るい。 rimg0170登ってきた台地。雄大。ここでテン泊したい。

6時46分。稜線に出てもガスは晴れず結構風は冷たい。朝露でズボンが濡れたので寒くなるのが嫌で下も雨具を装着した。それなりの装備にして先を急いだ。ここからは泥沼トラップはなく快適な道のりだった。

rimg0175正面も降りられそうに見える。沢からのトレースなのだろう。しかしこのような道が多すぎる気もする。源流が荒れるということか。

まずは北ノ俣岳。7時2分。丸いピークは広々。

rimg0176面白くもなんともない写真

黒部源流から直接登り上げる人も多いのかトレースが複数あるよう。写真を撮っている間に結構冷えたので、フリースネックゲイターとメリノの手袋装着。あったかい。ガスの中、時々黒部からのバリルートがあり迷いそうになる。まぁ稜線沿いに行くだけなのですが。

続いて赤木岳。ピーク下を過ぎる。7時27分。

rimg0184 rimg0188 rimg0190紅葉もわずかに

程なく大きく標高を下げる。中俣乗越が見えてきた。

rimg0191向うには2578mピークが見える

五郎小屋からの人とすれ違うようになった。下りの途中で丸々に太った3匹の子連れ雷鳥と出会った。どれが親か分からないほどに成長している。

rimg0198

雷鳥といえば、今年の春に立山の室堂山荘裏で雷鳥のオスが縄張り争いをしていた。繁殖期なのだろう。7月の爺ヶ岳の稜線で見た雷鳥はまだ小さな雛だった。今日見た雷鳥はもう体格は大人。来春には伴侶を見つけてつがいとなっているのだろう。

rimg0201

乗越には8時3分に到着。ここで補給を少し。さぁ最後の登り。この辺りで少しガスが晴れたりして赤木沢の紅葉が見えたり雲ノ平が見渡せたりした。2578mピークを巻くと少し風景が変わる。

rimg0202 rimg0208 rimg0214

一旦高度を落としてゴーロを登る。これが黒部五郎か。

ひーひー言いながら登りきり最後に左に巻くと肩に到着。9時26分。雲ノ平から来たらしい3人と出会った。挨拶と同時に晴れ間が見えて鍬崎山、薬師岳、雲ノ平が見渡せた。晴れ男の名前をもれなくいただいた。それも一瞬でその後はまたガス。荷物をデポしてピークに行ったがピークでもやはりガスのままだった。9時40分。

rimg0226 rimg0230

写真を撮って稜線コースを確認した。ガスの時にはこの稜線コースを選ぶようにとのことだが、ガスの中で見るそれは方角を見失いそうな道にしか見えなかった。

rimg0231こちらに向かうのはイヤですなぁ

一応カールも眺めようかとも思ったが、全く見えなさそうだったので次回の楽しみにすることにした。

帰りは作業のような行動ながら、時々晴れ間が出て、薬師岳がきれいに見えたり、雲ノ平山荘が見えたりと多少は楽しませてくれた。

_igp2725_dxo薬師岳。 _igp2736_dxo赤木沢の紅葉。 rimg0236雲ノ平が見える。山荘も。 rimg0244薬師岳。

それも北ノ俣岳稜線分岐まで。

9時47分黒部五郎の肩、10時51分中俣乗越、11時42分赤木岳、12時8分北ノ俣岳、12時16分神岡新道分岐、13時12分北ノ俣避難小屋。ここで昼食休み30分。水も売り切れに近くて助かった。

rimg0252木道まで降りてきた。 rimg0253 rimg0254 rimg0255 rimg0256昨日お世話になった小屋で遅い昼食。いい小屋ではある。沢水での水洗トイレであるのがよろしい。

分岐の標識の上で野鳥がハイマツの実?をかじっていた。

rimg0259

下りはまた泥沼トラップ作動(今日一日晴れていたので比較的乾いてはいたが)し、臀部接地1回を被った。

13時45分小屋出発、14時26分寺地山、15時5分飛越新道分岐。

rimg0267左は藪もありますと… 藪耐性も上がるのか…

rimg0266これが丸太トラップ!!

16時8分登山口。

明らかに今回の山行で泥耐性がかなりアップしたと思う。泥耐性を身につけたい方、横乗り系で横滑りは俺の望むところだぜーという方、ぜひ雨翌日にトライしてみましょう。

合計距離: 22691 m
最高点の標高: 2725 m
最低点の標高: 1397 m
累積標高(上り): 1633 m
累積標高(下り): -2201 m
平均ペース: 2.21 km/h
総所要時間: 11:02:02
Download file: Move_2016_09_25_05_06_11_トレッキング.gpx

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