聞き慣れない言葉、「ハプロタイプ」。学生時代にも聞いたことはなかった。
この言葉に行き着いた所以は…
登山するようになって思った素朴な疑問。
春夏秋の20℃の登山口も冬の3℃の登山口も、汗をかくような出力の場合にはペラペラのベースレイヤー1枚であまり問題がないのだ。
それはつまり、気温の体感の具合が季節で変わるということにほかならないのだろう。
生理学は詳しくないのでその辺りが疑問になって調べてみた。
キーワードはずばり「気温」×「順応」
そうすると面白い文献が見つかった。抄録を引用しよう。
日本人における季節性寒冷順応とmtDNAハプログループの関連(Relationship between seasonal cold acclimatization and mtDNA haplogroup in Japanese)
Nishimura Takayuki(Graduate School of Design, Kyushu University)
Abstract:日本人学生15例(ハプロタイプD:7例、ハプロタイプnon-D:8例)を対象として、季節性寒冷順応とmtDNAハプログループの関連性を検討した。夏季と冬季に、気温を摂氏27度から摂氏10度に低下させた人工気候室に約30分間安静後、寒冷曝露を60分間行った。夏季には、ハプロタイプnon-DはハプロタイプDに比して直腸温の低下と酸素消費量の増加量が減少し、耐寒性が強かった。冬季には、ハプロタイプDとハプロタイプnon-Dにおいて直腸温と酸素消費量に有意差は認められなかったが、呼吸交換率はハプロタイプDのほうが低下し、ハプログループDではエネルギー代謝の変化が大きく、寒冷順応とmtDNA多型の関連が示唆された。夏季にはハプロタイプnon-Dで寒冷順応が良好であったが、冬季には差異が消失したことについては、季節性の寒冷順応が関与しているものと考えられた。
本文の読んだ訳ではないので抄録のままに読み取るしかないが、つまりはハプロタイプDは耐寒能力に劣るということらしい。
そこで「ハプロタイプD」とはなんぞや?ってことになる。
ググる。
NAVERまとめ(https://matome.naver.jp/odai/2141791833365246101)に端的に書かれている。
長寿との関連について主にフォーカスしている。
要は古モンゴロイドの血筋がハプロタイプDということらしい。今はチベットと日本に多い。
ん? チベットと日本? どちらも寒いところだけど…
耐寒性に優るハプロタイプnon-Dの方が淘汰されないのではないのか?
どう理解したらよいか分からないところではあるが、人によってミトコンドリアDNAのレベルで耐寒性が異なることは確からしい。面白い。
さて自分はどちらのグループだろうか?