久しぶりのソロでの本気モード。今日は撤退はないぞと心に決めて出発する。
林道は快適にプチラッセルしていく。
途中まで前日のスキーやボードの滑走跡・スノーシューのトレースなどがあったが、白池への1/3ほどで無くなった。
以後はウサギもしくは狐系トレースが先導。なかなか良いところでショートカットへと導いてくれる。ウサギくんありがとう。
黙々と歩いて少し明るくなってきたところで林道を外れて登山道へと入る。ここまで1時間半。出発が遅れた分は取り返したか。
この登山道沿いは帰りに別トレースもあった。変なトレース付けちゃったかな?
登山道も散策路のようで幅もあり明瞭。あまり地図も見ずに池近くの終点まで来てしまった。
よーく過去ログを見ると蒲原山西斜面への取り付きを過ぎているではないか。
うーんと少し悩んで、箙岳からの下りで使うかもしれないと思っていたルート(ヤマレコでmacoさんが使っていた)を逆に進んでみることとした。明瞭なピンクリボンがそちらに導いてくれたこともあるが。
1300m台地に乗り上げるところまではほぼ平行移動のトラバース。一箇所渡渉気味になるところがあるが、赤旗が立っていて分かりやすい。
その後少し高度を上げつつトラバースしていくが、何とも急な谷筋に行き当たる。
左手の1300m台地に乗りあげないといけないが、台地の先端は岩峰。
左からアプローチする方が近いが、乗り上げる箇所がない。しょうがなく岩峰直下を際どくトラバースすると右から乗り上げることができた。
地形図的にもそうなので、最初から大きく右に回ればよかった。
この辺りにピンクリボンはなかった。乗り上げたあとの小コルにまたピンクリボンあり。かなり古い。
ここまで来れば後は箙岳北西斜面をただ黙々と登るのみ。
藪いところもあり、岩に生えた松の巨木が時々道を遮り、オオシラビソは所々ツリーホールを作っていた。
今日はほぼ一人でトレースを作り、プチだけれどもラッセルしてきた。
視界が開けてやっと稜線、ピークもすぐそこ!!と喜んだのもつかの間、斜面にスキートレースが…
もしかして今シーズン初かなぁと期待していたのだが、先行者がいたらしい。昨日だろう。昨日は眺望もあって最高のピークだっただろうな。
達成感となんとなくの敗北感(今日はきっちり自分には勝ったけれども)が入り混じった何とも言えない感情。
予定通り蒲原山に向かっていればこのトレースに乗っかったことになった訳でそれはそれで悲しい。
満足するなと誰かが言ってくれているのだなぁと解釈して折り合いをつける。
風も弱いのでしっかり補給して自撮りなんかもしたりして滑走モードに切り替えた。
目標は蒲原山。
目の前にあるトレースは蒲原山からのものに間違い無いので、追っかけていくが、思っているよりも右に落として行くように見える。雪庇も嫌なので離れていくと今度は北西すぎ。修正してコルを目指して落としていく。オオシラビソに囲まれて遠くはガスで見えず方角を守るのが難しい。
コルへの最後の200mほどはオープンバーンで歓声が出そうになるが、斜度的には雪崩れてもおかしくはない。慎重に降ってコル近くに出たつもり。雪質は昨日に引き続き最高にクリーミー。
ここでもう一つポコを巻くと勘違いして左巻きに入って行くと思ったよりも緩い雪で高度が落ちてしまう。そろそろ次のコルと思っていたらGPS上では全く違っていた。
5-60m落としてしまい、シールでの登り返し必要。
うーんと悩むこと数分。ここが弱いところ。もういいやってなってしまった。
以後は藪い中をGPSを確認しながらただ高度を落として自分のトレースに合流した。
今日か昨日か分からないが登りトレース、滑走トレースとも交差した。
このあたりは斜度もゆるく小さな沢が何本かあり複雑な地形をしている。登りにつかってもスマートに進むのはなかなか難しいだろう。
自分のトレースに復帰すると2-3人の後続がいるようだ。しっかり固められたトレースはよく滑り、少々登り返しはあるもののほぼ高速ジェットコースター状態で車まで帰還した。
ピークを取るには取ったが、想定の範囲内とは言いつつ行き当たりばったりでスマートではない。
GPSトラック経路が全てを物語っている。あっち行ったりこっち行ったり。
変な地形に入り込まなくて良かったと思うしかない。
ちなみに箙。
変な言葉だが、wikipediaさんによれば弓矢を収める筒のことらしい。この山がなぜ箙岳なのかは調べても分からなかった。
最高点の標高: 1820 m
最低点の標高: 676 m
累積標高(上り): 1297 m
累積標高(下り): -1295 m
平均ペース: 7.13 km/h
総所要時間: 06:50:04