→ShingolB←

別山(白山の)

まだスキーが出来る山の感じではない。
白山砂防新道ピストンなら少しは滑れそうだが、ツボで行ってもそう変わらない山スキーには気持ちが盛り上がらない。
がっつり雪遊びができそうなコースとして12月2日に入った記録もあったので別山にツボ足・ワカンで行ってみることにした。
きっと貸し切りでどっさりラッセルさせてもらえることだろう。

ここしばらくの天候を確認した。
登山記録のあった12月2日以降の麓の河内村の気象庁データを確認すると、3日に18.5mm、4日に0mm、5日に1.5mmの降雨があった。山ではそれぞれ15cm、0cm、5cmくらいの感じか。
数日で沈降した分また降り積もっている程度だろう。気温から考えて2000m以下は一旦雪は溶けただろう。
おそらく避難小屋までは普通の夏道登山くらいのわずかな雪の量で、それ以降は多くて膝ラッセルくらいと予想した。
ラッセルが多くなると12時間は必要だろうと見越して4時までにはスタートのつもりで考える。小屋で日の出くらい。
装備は稜線近くの凍結斜面も考慮しつつ主に新雪ラッセルを想定した。
ピッケル・アイゼンにショベル・ワカン・ウィペット。
服装は避難小屋までは軽装気味で、それ以降は冬山にすべて必要な装備で。
風が強めの予報だったので、久しぶりに厚手のダウンも出動だ。
ザックは最近定番のExped seracにして、いろんな装備を外付けにした。

3時45分くらいに市ノ瀬をスタート。
作業道入り口付近の道路は凍結していてかなり際どく転びそうになった。この山行で一番危なかったかも。

水場くらいまでは普通の落ち葉たっぷりの夏道そのまま。
月夜だったこともあって、葉っぱがないとこんなに周囲が開けて見えるのかと驚くばかり。

水場を超えると徐々に雪が増えていくが全く問題ない量。
1600mくらいから徐々に雪の乗った笹が覆いかぶさるようになり、1780mのトラバースくらいから脛ラッセルも出てくる。
回り込むくらいから明るくなってきて写真が撮れるようになってきた。

赤兎・大長あたり

少し朝焼けが見えてくる。
回り込んだところで別山が見えてきた。

尾根を進んでいるとピンクの本峰が見えた。

ここから先は少し樹々の多い区間でしばし眺望が遮られ、そのうち小屋が見えてくる。やや雪は増えて笹や木が垂れてきて雪よけが多くなってきた。

小屋が見えてきた

小屋で装備変更。
汗をかいた最薄手のメリノのベースレイヤーからやや厚手のメリノ混紡のベースに着替える。
上半身もペラペラの雨具からハードシェルに変更した。
下半身は冬パンツのまま。
ワカンをつけようか迷ったが、まだ登山道のくぼみの中を歩いている状態なのでワカンでは幅的に取り回しが悪かろうと思いツボのままとした。
アイゼンを装着する選択肢はなかった。
しっかり補給して不要なものをデポして先へ進む。

ここからしばらくは眺望もなく面白くない道が続く。黙々とラッセルする。脛くらい。

夏は樹々で遮られて御舎利山の斜面の起伏の様子がよく分からないが、この季節に歩くとよく見える。
正面に2200mの岩壁が見えてくる。三角形のトンガリに見える。その手前右に2160mほどの小ピークに見える部分がある。
この間をトラバースして沢筋に入っていくようだ。
このトラバースあたりから斜度も徐々にまして雪も増えてきた。膝近くになって足上げもキツイ。たまらずワカン装着。


ここから沢筋のつづら折りはかなりきつかった。
2200mの岩壁からの尾根にトラバースした2289mで御前峰がきれいに見えたためここで大きく休憩。あと標高80mほどで御舎利山なのだが。

休憩がてら撮影。

双眼鏡では逆くの字を登るスキーヤー二人、甚之助に一人、甚之助の上の広場(水道蛇口のあるところ)に3−4人居た。

ここで後続の女性登場。まさか誰か来るとは思わなかったし追いつかれることも想像していなかったが、それくらい速度が落ちたということか。

少し言葉を交わし先に進むようだ。あぁ今日は全部ラッセルするつもりだったが…これも自分の力不足。
しっかり休憩して先に進む。

つづら折り6−7曲がりしたくらいで追いついた。ツボで登っていたようで流石につらそうだ。
何より足が小さくて軽いので、トレースが意味をなさない。いや単に自分が重すぎるだけなのだが…

別山ピークが見えてきた

先を譲ってもらい4−5回切り返せば、御舎利山への直登部分に来た。
この前後はパックされた雪面も出てきて普通はアイゼンを用いるべきだろう。
自分はワカンの刃が効いていたのでそのまま進む。

アルパインな感じになってきた

登りあげて先へ進む。
振り返れば本峰。

人が入るといい
もうロックオン

登山道通りに行けばたいてい脛ラッセルになる。
ところどころ硬そうなところもあるので選び、ところどころ巻いて登り返しを減らすようにする。
向かって左(東側)は吹き溜まりで無風、右(西側)は固めで強風という感じだが。

気を遣ってもらっているようだ
晴れの別山は初めてかも

寒いのでそこそこで退散。
下りのつづら折りはところどころショートカットしてまっすぐ降りた。新雪わっふわふです。

二人の男性とスライド。もう11時だが、今日は天候は保つからピークまでたどり着くでしょう。

途中ワカンが緩んだのでそこで外した。
結局アイゼン・ピッケルは使わず。ウィペットの刃も飾りだった。
更に小屋で軽装に変更。

春のような陽気

女子はその間に先に進み追いつくことはなかった。強いな。

帰りはポカポカ落ち葉トレイル。

今日はがっつりラッセルできて楽しかった。赤い蓋のコーラも心置きなく飲むことができたぜ。

合計距離: 18176 m
最高点の標高: 2397 m
最低点の標高: 828 m
累積標高(上り): 2077 m
累積標高(下り): -2078 m
平均ペース: 2.65 km/h
総所要時間: 09:59:01
Download file: _2020-12-06 134311.gpx

水分はレモンティー300ml、ゆずしょうが200ml、コーラ500ml消費。
ジェル2本、パンケーキ1袋、ハム、ソーセージ、大福消費。
比較的燃費が良かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です