ある程度病状経過などが把握できるようになって、それなりのレポートが出ている。
日本内科学会が緊急寄稿という形でPDFを公開している。
要旨としては
中国の44000人あまりの総計として、軽症が80.9%、中等・重症が18.5%、死亡2.3%、死亡者1023人のうち81%(828人)が60歳以上
WHO統計では、中国内患者74675人中死亡者2121人(2.8%)、中国外患者1073人中死亡者8人(0.7%)
接触感染・飛沫感染が最も疑われている
感染力としては一人の感染者が2.2人感染を拡大させているとの数字で、いわゆるインフルエンザウィルスと同等+αくらい
症状のないウィルス保有者からの感染もあり
有効な治療方法はない
肺炎X線像は両側性の斑状陰影やすりガラス陰影
感染者の年代別の経過の数字が単純な検索ではあまり見えてこない。
最初の中国の44000人あまりのレポートは公開されている。中国語のものだが、表は読み取れる。年代別死亡率が記載されている。
「感染者」がどういう定義が不明(漢文が読めない)が、普通に考えたら有症状でPCR陽性ということだろう。
20歳未満の死亡率は0.2%である。つまり学生は感染しても重症化は稀だということ。感染の拡大源にはなるが。
この死亡率は40歳未満まで同じである。しかし症例数が10代で500超なのが、20代で3600、30代で7600と増えていく。
中国の人口構成がわからないので単純には言えないが、年齢層が高くなるほど罹患しやすいとも言える。
50代は症例10000例あり、その死亡率は1.3%となる。
60代は8500例あり、その死亡率は3.6%。
70代は3900例あり、同じく8.0%。
80歳超は1400例あり、同じく14.8%である。実に7人に1人。このインパクトは強い。
ただし中国内のデータである。医療事情は異なるので日本国内で同等かは分からない。中国内外の比較からは1/4くらいに考えておくのがいいだろう。
今後の感染拡大を根本的に止めることはできないだろうが、壊滅的な状況(重症例増加による医療提供不能や死亡例増加)を避けるためには50代以上への感染をできる限り少なくすることだろう。
軽症にとどまってしまい感染を容易に周囲に拡大しかねない50歳未満の層(つまり学生と働き盛り)での集団感染を避けることは大事そうだ。
50代以上は容易に感染していそうな層との接触をできうる限り避けるべきだろう。
政府の小中高休校はそういう意味では正しいし、なんなら働き盛りを多く抱える企業も同じなのかもしれない。
学校に行かない子供を祖父母に預けるのは間違っている。
無症状のウィルス保有者が感染力を有するとなると「症状がある人を近づけない、近づかない」という予防は意味がなくなる。
そもそも無症状の人はPCR検査を受けるまでに至らないので(プリンセス号に乗ってた人は別)、「ウィルス保有で無症状」と診断される人も今後はそんなに出てこないだろう。
そもそもPCR検査の偽陰性例とかの問題もあるし、陰性者が免罪符を持ったかのように感染に対して無防備になったりしても意味がない。
軽症の割合が多すぎるため、軽症者が感染に気付かず周囲への感染に無垢である可能性も極めて高い。
と、ここまでくると感染を予防する方法はもはや「とにかく他人と接触しない」というのが一番正しい。
山にこもるか?
新型コロナウィルスとて(高齢者の重症化が多いけれども)ただのウィルス風邪の一つだと大きな声で言える時が早く来てくれるといいな。