新型コロナウイルス感染症の局面が変わる時というのはいろいろと想定できる。
・重症患者数>人工呼吸器数
言わずもがなだが、命の選択が求められる。
誰の命が軽くて、誰の命が重いかなんて簡単に比較できない。
自分の子供と親が重症者になったと仮定して一つしか人工呼吸器がなかったら?
隣の家の息子と自分の親だったら?
・PCR検査以外の検査方法が定着する
PCR検査の問題点の一つは、検体採取手技にある。鼻の穴に綿棒のようなものを突っ込んでグリグリすることで、咳やくしゃみを誘発するので、周囲は飛沫感染の危険にさらされる。
その観点では採取者の暴露の少ないその他の採取方法、例えば採血などの方法だと良い。
また、感度がやや低い(60-70%と言われている)のが改善されること。
さらに言えば検査時間が短くなること。
一つの大きな転換点は病院の検査部でも実施可能な簡便なキットが出来ることだろう。
PCR検査は出来る施設が限られ件数が制限され、そのコントロールが保健所に委ねられている部分が多い。
保健所のコントロールから離れるような検査方法となった瞬間に、感染対策の主体が行政から医療現場に変わることになる。というか現場に即した対応を行政にお願いすることになる。
その代わりとして、いままで見えてこなかった大量の感染者が判明することになり、ホテル隔離が必須になる。ある程度は自宅待機になるだろう。
開発が進んでいるので、そのうちこの局面は訪れる。
さらに検査部を持たない外注主体の開業医でも容易に検査できる検査方法になったら?
また局面が大きく変わる。
肺炎の有無を判断するために病院に多くの陽性者が紹介されてくる危険がある。
CTを取らないと肺炎を確実に判断できないからだ。
一般クリニックでCT以外に重症度を判断できる方法があるとすれば、酸素飽和度を調べることぐらいだろうか。洗濯バサミみたいな器具で指を挟んで測定するアレである。
簡易検査での診断の段階で酸素飽和度でトリアージしてもらい、軽症者は家庭内もしくはホテルなどで経過観察するような流れを構築しておく必要がある。
・ワクチン完成
効果がどれほど出るかは未知数だが、ハイリスク群と医療関係者(及びその家族)にワクチンを打つことで、大幅な死亡者の減少が見込めるだろう。
・抗ウイルス薬の開発
治療効果が望める薬剤が開発されると明らかに局面は変わる。治せるのだから。