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八ヶ岳で遭難・救助事例→救助退院らが一時自宅待機に

ソースは

https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200428/KT200427FTI090026000.php

八ケ岳連峰・阿弥陀岳(2805メートル)近くで25日に遭難し、県警ヘリコプターで救助された都内の自営業男性(36)に一時、新型コロナウイルス感染の疑いが浮上し、陰性との結果が判明するまで2日間、救助に当たった県警山岳遭難救助隊員ら10人前後が自宅待機を余儀なくされたことが27日、分かった。県内の山岳救助でのこうした事例は初めて。

県警関係者によると、男性は25日、単独で阿弥陀岳に入山。午後1時ごろ、頂上に近い御小屋尾根付近(2500メートル)から滑落し、動けなくなった。男性の119番通報を受けて県警ヘリの他、茅野署員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会の救助隊員が地上から出動。男性は午後4時半ごろ、ヘリで救助された。

男性は収容先の諏訪市内の病院で左手首骨折の重傷と診断された。その際、CT検査の肺の画像で、新型コロナウイルス感染の疑いが浮上。PCR検査を受けることになった。仮に男性が陽性だった場合、濃厚接触者に該当する可能性があるとして、ヘリに搭乗した県警山岳遭難救助隊員やパイロット、整備士、隊員と松本空港に帰着した後に接した別の隊員ら計10人前後が自宅待機した。27日、男性は陰性と判明。自宅待機は解除された。

遭難経過と救助経過は普通の遭難事例であろう。命に別状なく良かった。

現在、通常機能の病院においては手首の骨折の入院手術は平時通り実施しているので問題はない。

 

入院時の対応だが、外傷での入院であっても、新型コロナウイルス感染症に関する問診は徹底的に実施する。

当然発熱や咳などの身体症状もチェックする。

 

さらに新型コロナウイルス感染症の院内への持ち込みは院内感染の原因になるため、大抵の病院は無症状であっても入院時に何らかのスクリーニングを実施している。

 

大学病院クラスでは自施設内でPCR検査を実施している。例えば慶応大学、京都大学など。公表していないが大抵の大学病院は自己防衛のために実施しているだろう。自前で検査できる研究施設は強い。

最近発売された抗体検査を入院患者全例に実施している病院もあると聞く。

どこの病院でもできる簡便な方法はCT検査である。

症状の有無に関わらず入院時に肺CTを撮影し、特徴的な肺炎像がないかチェックすることが多い。私の勤務先もこのような対応をしている。

症状もなくCTで肺炎像を認めない感染者はある一定数いるので、これで完全に防げるわけではないが。

 

この事例ではCTでスクリーニングをしているパターンであろう。疑わしい肺炎像を認めたため保健所に相談のうえPCR検査まで実施した。

 

一般的には感染と疑われた患者の濃厚接触者はまずは自宅待機などの措置をしてPCR検査結果を待つことになる。

この事例では丸2日間(救助当日から翌日PCR検査、翌々日にPCR検査結果判明)自宅待機処分となったようだ。

その間ヘリのパイロットや救助隊員は出動できない状態になったということである。

 

今回は陰性であったということで関係者一同胸をなでおろしたと思われる。

 

仮にこれが「陽性」だったら…

自宅待機になった救助隊員らは真の濃厚接触者としてPCR検査を受けることになる。

隊員たち自身も陽性であればもちろん入院(軽症・無症状ならホテルもありえる)。運良く陰性であっても最低2週間の自宅待機・健康観察となる。

なお、ヘリコプターや救急車は当然消毒の対象になるので、それなりの時間と費用がかかる。

パイロットや隊員が自宅待機中にヘリを飛ばさなくてはいけない案件が発生した場合は?

もちろん出動できない。代わりがいればいいが…

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