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BD distance carbon Z pole修理

奈良岳周回の時だったか、下りでBD distance carbon Z poleが壊れた。長さ調節できるFLZの方ではなく110cm固定の方。

昨年の北海道遠征の時に購入して、甲州アルプスオートルート(トレラン)などの山行に多用した。ポールが如何に有用かを自分に知らしめてくれた良品だ。

構造的には3本に折れ曲がるシャフト内部を径1.2mmほどの細引きでつないでいる。最下部のジョイント部分にはネジ構造で固定緊張を調節する機構がついている。

微妙に欠点がある。使用開始時と終了時で細引きの緊張は必ず変わっている。使用中にポールが回転することでよじれた糸の長さが微妙に変わるせいだろう。また緊張を調節するネジ部分が外れてしまったこともあった。

今回壊れた部分は、その細引き自体の断裂だった。

末端のプラスチック留め具の部分で切れている。

修理に出そうかどうしようか迷いつつしばし放置してあったが、せっかくだから検索してみると自己修理の記事もあるにはあった。やってみよう。

まずリストバンド部分を外す。写真下の金属部分が黒い筒にハマるようになっているので、そこを外すと引き抜ける。本体には横穴が開いている。

グリップ部分をカッターで切って頭の部分だけ取り外す。先程の黒い筒の入っていた横穴は、内部では細引きをループさせて固定する部分に相当する。

ホームセンターで金属ワイヤーを購入。径1.0mm。また「かしめる」金具も購入。計算では60cmで足りるが、失敗や次の補修のことも考えて3m購入。合計500円ほど。

ワイヤー結び目とかしめ金具を取り付けてアンカーにして、最下部のプラスチック留め具からワイヤーを通す。

順に2本のシャフト内にワイヤーを通す。一番上のシャフトにはボタン式の留め具があるが、その部分にワイヤーを通すのは難しい。ワイヤーの毛羽立ちをきれいにするとうまくいく。

引き出したら、最下部のシャフトをネジ込み固定して全体を組み立ててワイヤーに緊張を与える。

かしめ金具を通してワイヤーを先程の横穴を1周させるようにして再度かしめ金具に通す。適切な長さ緊張にしてかしめて固定する。簡単に書いたが、緊張を保ちつつかしめるのはなかなかに面倒だ。結局2つかしめ金具を用いた。

ちなみにコツとしては、プラスチック留め具の連結部分(最下部と中央のシャフトの連結部分)を少し緩め(長め)にした状態で緊張をかけてかしめる。どうしても遊びが出るので、連結部分で調節するとよい。

グリップとバンドを元に戻して終了。

ワイヤーのイメージとかしめ金具。見ての通りZです。

金属ワイヤーにしたことで絶対的な強度は増しているはずだが、微妙な細引きの伸縮は失われる。逆に破断しやすくなるかもしれない。

ちなみに石突きの部分は曲がっているが、ここも取り替えるパーツが売っている。なんでも熱を加える(煮沸)と外れるそうな。今の所困っていないのでこのままで。

長さ調節可能なFLZもバックアップで購入してある。こんな軽量ポールは消耗品だと分かっている。が、直すことで構造も分かるし弱点も分かる。いい経験になった。

1 comment for “BD distance carbon Z pole修理

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