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源次郎尾根

IMPで計画があがり参加させてもらった。

日付

2023年9月16日土曜日‐17日日曜日

メンバー

IMP(kuma-san、Nishidenさん、kazumi-hiさん、mierinさん)、私

天候

1日目の天気図、晴れ・夕立2発

2日目天気図、晴れ

アクセス

当日9時前に入ると立山駅手前の川沿い奥に誘導された。後続は橋手前の駐車場に案内されたとのこと。

予約した9時20分の便で室堂へ。

帰りは美女平への直行臨時便が多数でた。美女平には人が溜まり、整理券の順に降ろされていた。
美女平停滞30分ほど。歩いて降りた方が早い?

ウェア

  • ベースレイヤー Rab pulse hoody
  • パンツ Montura free K -7cm pants
  • ミドルレイヤー Rab alpha flash jacket、Norrona lyngen alpha 100 3/4 pants
  • ウィンドシェル Karrimor wind shell pull over
  • アウター Arc’teryx alpha SL anorak Hadron、mont-bellストームクルーザーパンツ
  • 帽子 アプローチ‐Patagoniaダックビルキャップ、尾根mont-bellジオラインクールメッシュキャップ
  • 靴下 point6 中厚手
  • 手袋 ワークマン薄手軍手 尾根では素手
  • シューズ mont-bell ツオロミーブーツ
  • ダウンなし

装備

  • Backpack exped verglas 40L
  • ストック Black Diamond
    distance carbon FLZ(ツエルトポール兼用)
  • 火器一式・食料
  • microjul・240cmテックウェブスリング・120cmナイロンスリング2本(1本はビレイコード)・アルパインヌンチャク(ダイニーマ2本・ケブラーロープスリング2本)・ケブラーロープ5.5mm x 7.5mm・環付きカラビナ4・ハーネス・ヘルメット(Petzl)
  • ツェルト・ペグ・finetrak張り綱・Rabアルパインビビー・SeaToSummit spark sp1・Klymit inertia x-lite・ソフトタイベックグランドシート・cocoon typhoon blanket・SeaToSummit aeros premium pillow
  • 10本爪アイゼン
  • 簡易シーネ・テーピング
  • 非常食
  • バッテリー・ケーブル各種
  • ヘッドランプ(Petzl swift RLバッテリー×2、bindi)

地図・標高

1日目

合計距離: 5763 m
最高点の標高: 2736 m
最低点の標高: 2271 m
累積標高(上り): 565 m
累積標高(下り): -480 m
平均ペース: 2.56 km/h
総所要時間: 03:04:02
Download file: 20230916剱沢へのアプローチ.gpx

2日目

合計距離: 11644 m
最高点の標高: 2791 m
最低点の標高: 1919 m
累積標高(上り): 1743 m
累積標高(下り): -2011 m
平均ペース: 1.98 km/h
総所要時間: 12:19:15
Download file: 20230917源次郎尾根.gpx

EK度数

(距離km + 登り累積標高差m ÷ 100 + 下り累積標高差m ÷ 200) = 50

コースタイム

1日目
室堂 10:36 – 10:45 みくりが池 10:46 – 10:48 みくりが池温泉 10:49 – 11:01 雷鳥荘 11:02 – 11:07 雷鳥沢ヒュッテ 11:08 – 11:14 浄土橋 11:26 – 12:48 剱御前小舎 13:04 – 13:31 剱沢キャンプ場

2日目
剱沢キャンプ場 04:00 – 04:05 剱澤小屋 04:07 – 05:16 平蔵谷出合 05:42 – 08:44 源次郎尾根 I 峰 08:59 – 09:22 源次郎尾根 II 峰 10:21 – 11:21 剱岳 11:34 – 11:53 カニのヨコバイ 12:12 – 12:14 カニの縦バイ 12:15 – 12:19 平蔵の頭 12:24 – 12:33 前劔の門 12:35 – 12:44 前剱 12:49 – 13:24 一服剱 13:25 – 13:36 剣山荘 13:41 – 14:44 剱御前小舎 – 15:15 浄土橋 15:17 – 15:20 雷鳥沢キャンプ場 – 15:31 雷鳥沢ヒュッテ 15:32 – 15:41 雷鳥荘 15:48 – 16:04 みくりが池温泉 – 16:08 みくりが池 – 16:15 ホテル立山16:17 – 16:17 室堂

コース状況

剱沢キャンプ場まで : 問題なし。

剱沢雪渓 : 夏道通しで雪渓右岸斜面を進む。見えてくる雪渓は穴だらけ。出合からは雪渓は繋がっているようで、ガレ石を下降し雪渓に降り立つ。出合の視認では渡れないような大きなクレバスはなくシュルンドもない(浅いのは多数)。しかし雪の下がどうなっているかは分からず、本来は氷河移動時のように間隔をあけてロープでつなぐべきだろう。
出合下が急になっているので滑るとある程度滑落する。軽アイゼンは必要。状況によっては前爪まで必要なのでやっぱり装備は削れない。10本爪アイゼン使用。

源次郎尾根 : 文中にある2箇所は普段岩に取り付いている人なら問題ないだろう。
ガレ場の落石に注意。
概ねトレースがあり迷わない。難しい登攀は出てこないのでそういう場所に来た場合は多分間違えている。

2峰からの懸垂下降 : 下降点には大きな鎖があり直接ロープがかけられる。高さ30m。途中にボルトが打ってあるのでピッチを切れば30mロープ1本でも2回懸垂下降実施して下降可能。

別山尾根 : 初めて通過したが、室堂からの距離・鎖場の危険さなどはむしろ早月尾根よりも難易度は高いのでは?
正直剱岳登山のためにはもう通りたくない。その奥へのアプローチとして使うことはあるかもしれないが。
早月尾根は体力があれば1泊2日で易しく登れる尾根だと実感した。

消費フード(2日目)

  • 水1.5L
  • カルピスジュース500ml・アクエリアス500ml・コカコーラ赤500ml
  • コーヒー1杯・味噌汁1杯(朝)
  • ゼリー2
  • パン2
  • アルファ米
  • フルーツ1パック

ギャラリー

記録

シルバーウィーク3連休、IMPクマさんリーダーで源次郎尾根‐北方稜線の計画が上がった。行きたい、でも前2日しか時間が取れない。ケガ開けであること、源次郎だけ同行し二日目剱岳以降は別行動になること、をお伝えし同行を許可してもらった。パーティ離脱後のコースも確認・指示された。

来る日に備えるべく、事前にChikauさんに指導を仰ぎ、IMPのパワフル女子二人とともに懸垂下降訓練を行った。さらに個人的には体力復帰と何より減量…2kgほどは絞れたかな…

いろいろと不安もあるので装備は最小限にしようと、幕営装備はペラペラダウンシュラフとペラペラツェルト(防水性ほとんどなし)とした。代わりに保温増強も兼ねて防水ビビー追加。アルコールや余計な食料などのアメニティは皆無。ガチャ類はメンバーとしては少し多めにした。これでdry weight 10.5kgとなった。何とかなるだろう。

1日目

現場につくと女子二人があまりにも多くの食材を担いでいたのが申し訳なく、初日の雷鳥坂は一部担がせてもらった。

テン場につきツエルトを張り終えると同時にスコール。大きく2回ほど降られた。予想通りツエルトの屋根からポタポタと水滴が落ちてくるが、防水ビビーにくるまっていれば問題なし。雨が止んで小一時間もすると幕は乾いていた。これだったらビビーにタープだけでよかったんじゃ?
ビビー泊は何度かしているが、顔前に空間が作れるビビーではないので、少々閉塞感あり。帰ってすぐに解決できる商品をmont-bellで購入した。快適さを求めると重量がかさむのだが…(普通にダブルウォールテント持っていった方が結果的には軽いのではないか?とも思えてくる)

雨の合間に夕食タイムとなった。女子が持ち上げてくれた食材を申し訳なくいただく。富山といえば鱒寿司・昆布締め。あー幸せでした。ありがとうございました。

ビールやワインが出てくる中、足が腫れるのでぐっと堪えてアルコールは口にせず。二度目の雨でそのまま解散になった。

二度目の雨の後に、ロープを出して懸垂下降の確認。特にロープとの相性についての確認になった。
kuma-sanが話していた内容に自分では想定していなかったことがあった。
ロープ径が細くなればなるほど下降器のフリクションは悪くなる(滑りやすい)と思っていた。しかし必ずしもそうではないとのことだった。ロープが細いと食い込んで逆に滑らなくなることもあるらしい。
また、自分のような重めの体重だと考えたことも無かったが、軽量女子の場合はハイフリクションモードにするとうまく下降できるほど滑らないらしい。なんと!
実際にそうだったのでなるほどと唸るばかり。
つまり下降器の対応ロープ径・使用ロープ・(荷物も含めた)重量の相性を確認しなくてはいけないということか。

また懸垂下降のバックアップについても難しい。「従来は…」とどうしても話が膨らんでしまう。余計な情報が入ってくると初心者は迷う。どんな技術でもそうだが、指導時に昔話をしても本当のところは意味がない。
自分が医者になったころのオールドスタイルの手術方法を「昔はさぁ…」なんて今の若い人に話しても、なんの意味もない。ふーんで終わり。
ただ確実に言えることは、最新の道具がたまたま無い時にどうするか。
バックアップ用のスリングを落としてしまった… 下降器を落としてしまった…
バックアップなしでカラビナのみでムンターとかガルーダで降りてくるしかない。
その時にオールドファッションなテクニックは生きてくる。そこまで深く勉強するかどうかはその人次第だが。

そのうち暗くなり、ビビーにくるまっているうちに寝てしまった。シュラフもペラペラだが寒さは感じない。

夜間は風で幕がはためくだけで特に問題なく就寝。いつも使っている枕があれば安眠できた。

2日目

2時30分起きで装備を片付ける。風通しが良すぎるくらいなので結露も少なく、ビビー内も湿気が溜まっている感じはなかった。

軽装で登り剱沢に戻って幕営装備を担いで室堂に向かうのが普通だとは思うが、渋滞が予想されるため剱岳ピークからまっすぐ室堂に向かうつもりだった。なお、時間的に室堂最終バスに間に合いそうも無ければ、留守本のChikauさんが馬場島まで迎えに来てくれるというありがたいお言葉があったことは精神的に余裕が持てて助かった。事前の懸垂下降講習指導含め改めて感謝したい。ありがとうございました。

3時45分頃には食事・パッキングを済ませて準備完了。トイレを済ませてハーネスやらガチャ類をぶら下げた。

装備の備忘録。ハーネスは山スキーにも使う軽量簡易版、というかそれしか持ってない。BDクーロワール。ビレイコードはスリングで作り軽量化。下降器はedelridのmicrojul。その他に120cmナイロンスリング1本、ダイニーマアルパインヌンチャク2本、ケブラーロープスリングアルパインヌンチャク2本、支点構築・お助け紐用として240cmのテックウェブスリング、5.5mm x 7.5mのケブラーロープ、懸垂用皮手袋を持っていった。
これで登り返し、支点構築は何とかなるだろう。
ロープは共同装備で30m x 2本あり。

剱沢は残雪期に真砂沢から登り返したことしかない。夏は全くの初見。そこは経験豊富なクマさん・Nishidenさんがいるので付いていくのみ。雪の多い時少ないときの雪渓の状況を伝え聞き、勉強になりました。

平蔵谷出合の石は見覚えがあるが、基部が大分露出している。出合以外の雪渓はズタズタでシュルンド・クレバス様の穴だらけ。危ない。雪渓への下降はガレ石だらけで崩壊注意。
出合部分のみ小さなクレバス程度で繋がっているようだが、いつ大穴が空いてもおかしくはないだろう。

なお、先行していたパーティのうちの二人と下山時にお話したが、彼らは前日下見に行った別の方の情報で、出合より上方の雪渓の穴の中をくぐって渡渉したそうだ。うーんワイルド。

我々はピンテ石が置かれていた雪渓をアイゼン装着下に横断し対岸に渡った。取り付きへの登り返しもガレ石の崩壊注意。

取り付きの草付きを登ると最初の岩場にくる。真ん中にクラックがあるが足の置き場が一つ足りないよう。昨夜の雨で少し濡れて滑りやすいのも難易度を上げる要因。先行者も少し苦労している。突破せよとのリーダーの指示であったので登り、上の木に支点を取り、スリングを繋いで3mほど垂らしてエイドした。人を足台にすると容易に登れただろうと後から思った。

しばし樹林を漕いで行くとまたスタンス・ホールドが足りない岩場あり。少し上にボルトが打ってあり、そこから二段ほどのあぶみを垂らせば左上のガバに手が届きそう。ここも背中に乗って登れば上に手が届きそうだったが。自分は右の方から木の枝も用いつつ無理やり登った。不安定で危ない。同じく支点を取り4mほどスリングを垂らした。

後続は同様に揺れる木の枝と揺れるスリングを補助に登ってきたが危ない。
やっぱりボルトからアブミを作って登る方が安全だったろう。
自分が登れればそれでいいというような登り方を先頭はしてはいけないと感じた。

この難しい二箇所の突破時にケブラーロープ以外の持参品を用いた。懸垂用のロープを出すほどでもないし持ってきてよかった。
しかし何本もスリングをつないで伸ばすのは面倒。10mほどのお助けロープがあると便利だろうか。
帰ってからインラインノットで足がかり手がかりできるものを7mmの細引きで作った。メンバーと場所によっては携行しよう。

以後は高度感があるものの登攀としては難しいところはなく、先頭に付いていくのみの体力任せになった。女子二人は強くて全然疲れている風ではない。Nishidenさんも同様。自分はちょっとピクピクきつつある大腿内転筋を気にしつつそーっと登った。
終始いいペースでkuma-sanが引っ張ってくれた。

1峰はリッジ台地。剱岳側が日陰になっており高山のひんやりした空気が流れ心地よい。

一息入れて急斜面を下るが、見た目ほど危なくはない。一般道の蓮華‐七倉岳間もこれくらいの岩場だよなーと思い出しながら下る。

2峰への登り返しはハイマツと岩の間から。岩の部分だけでも容易に登れそうではある。程なく2峰ピークへ。

前のパーティの最後の方が懸垂していくところを見送り、リーダーが我々のロープをセッティング。再度、懸垂下降のセッティング・動作の確認をした上でまず降りていった。
ついでNishidenさん、kazumiさん、mierinさんと降りていく。下降器とフリクションコードと使用ロープとの相性は昨夕に確認したので、皆さん大きなトラブルなく下降していった。
最後に自分も下降。現場での懸垂はようやっと3回目。決めてあるルーチン通りに実施して無事に着地。

3パーティを待たせてしまった。彼らはロープを共用したりしてそつなくスムーズに降りてきた。

懸念のあった懸垂パートが終わり、後は剱岳本峰に向かうのみ。少しずつ休みながら大勢の写真行列の横に登り上げた。

我々は社も前ではなく「この先危険」の看板前で記念撮影。今日のピークはここでしょう。
時間は11時15分くらい。これなら室堂最終バスに間に合いそうだ。

ピークで休憩に入る皆さんにお別れをいい、一人別山尾根下山に向かった。

別山尾根通過は初めて。カニのなんちゃらは大渋滞。鎖場では落ちたらダメですよね。これが一般道なのか?と思いながら下っては登りを繰り返して剣山荘に着く頃にはへとへと。補給が追いついていない。
14時剣山荘目標だったが30分ほど稼げた。ナイス。小屋で水分を購入し一気に飲み干した。
あまり休まずに先に進む。巻き道でまっすぐ剱御前小舎に向かう。冷たい風は心地よいが足は進まない。時間に余裕があれば剱御前を踏みたいところだが、今日は無理。
小舎前でも休憩なく先に進む。雷鳥坂では、カラコルムY会長が眼の前を高速下山しているイメージを作って追いかけるように下山。30分で降りた。ぜーぜーはーはー。
キャンプ場からの登り返しはもうゾンビ。コーラを途中で買い、飲みながらゾンビが歩きます。死にそうな登山客の姿にすれ違う観光客は怖かったのではないだろうか?

16時15分頃に室堂に到着し待機列に並んだ。観光客に交じるには汗臭いし大変申し訳ないところではある。
風呂に入る時間があれば…
匂い防止に一枚羽織ったものの意味があるかどうか…ゴメンナサイ、許して…

美女平まではバスがどんどん出て客を降ろすが、そこから先の輸送能力は限られている。美女平駅で30分ほど待ってようやく立山駅についた。
今日のうちに帰れて本当によかった。

車での帰り道ではジャンクなものが食べたくなる。こんな時でもファミチキとかで満足してしまう安い口に感謝笑。
帰って温かい食事と風呂で癒やされて就寝。
楽しかった。ただただ楽しかった。

kuma-sanには毎度山のいろんなことを教わった。糧にしたい。Nishidenさんはいつもの強いNishidenさんだった。いつまでもお元気で。関東に行ったら遊んでください。女子二人は食事などのアメニティへの気遣いがすごくていつも感謝。登山自体も強すぎるくらいなのであまり心配することなし、頼もしすぎる。
自分は…
ケガ後にしては思っていたよりも動けて登れた。
剱岳のバリエーションは初なのだが、これは単に入り口なのだと実感した。夏の活動はランニングでもトレランでも自転車でも無く、やっぱり岩(沢登り含む)だな思った。遅すぎることはないと思いたいが…

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